「原紙寸法」を覚えなくても印刷はご注文いただけます

印刷物の多くは、仕上がりサイズの用紙ではなく大きい用紙に複数面を同時に印刷してから加工・断裁を経て仕上げています。
プリントハウスで仕入れる用紙も「原紙(げんし)」と呼ばれる大きいサイズの状態でやってきます。
このサイズは全判(ぜんばん)とも呼ばれます。
原紙の寸法はJIS規格で5種類定められているのでそれぞれご紹介します。

 四六判(しろくばん)

四六判サイズのイメージ
四六判の大きさは788mm×1091mmです。
印刷に使われる中で最も一般的な原紙寸法で、印刷屋さんの用紙の連量表記は四六判になっているものが多いです。
(連量についてはこちら→そもそも…紙の「kg」って何?

B4、B5などB判サイズの印刷をするのに向いています。
明治時代にイギリスから輸入された「クラウン判」が「大八つ判」と呼ばれ、そこから4寸2分(約127.26mm)×6寸1分(約184.83mm)のページが32面取れることから「四六判」と呼ばれるようになったそうです。

なお原紙の大きさは788mm×1091mmですが、書籍のサイズを指して「四六判」ということもあります。
これは出版社等によって128mm×188mmだったり130mm×188mmだったり微妙にサイズが違うため、印刷物のサイズ指定で使う場合は注意が必要です。

 菊判(きくばん)

菊判のイメージ
四六判より少し小さい、638mm×939mmです。
元々は新聞用紙にするためアメリカから輸入したものだそうですが、その後日本だけで使用されるようになり、現在は日本独自のサイズになっているようです。
A3、A4などA判サイズの印刷をするのに向いていて、プリントハウスではこの「菊判」を半分に切ったサイズ(半裁(はんさい))で印刷することが多いです。

名前の由来は、明治時代に輸入された紙に書かれていた花の紋章が菊に似ていたとか、新聞の「聞」からきているとか、諸説あるようです。

原紙の大きさは638mm×939mmですが、四六判と同様に書籍のサイズを指す場合があり、そちらは152mm×218mmなど出版社等によりサイズが異なるためご注意下さい。

 A列本判・B列本判

A列本判とB列本判のサイズのイメージ
A列本判は625mm×880mm、B列本判は765mm×1085mmです。
その名の通り、A列本判はA判サイズの印刷に、B列本判はB判サイズの印刷に向いています。

A列本判は菊判より少し小さく、B列本判は四六判より少し小さいサイズです。
どの原紙を使うかは、仕上がりサイズや部数、印刷機のサイズ、印刷しやすさなど様々な都合で選んでいます。
全ての用紙に全ての規格が揃っているわけではないので、そもそも選択肢がないこともありますが…。

 ハトロン判

ハトロン判のサイズのイメージ
ハトロン判の原紙寸法は900mm×1200mmです。
「ハトロン」の語源はドイツ語の「Patoronen papiaer」と言われており、これは「薬莢(やっきょう)を包む紙」という意味だそうです。
弾薬を包む目的で作られた紙のため耐久性があり、日本にも輸出されるようになりました。

これと一致しているのかはわかりませんが、日本では第二次世界大戦頃まで作られていた「ハトロン紙」という包装紙の一種が3尺×4尺(909mm×1212mm)だったので、現在の原紙寸法規格900mm×1200mmとなったそうです。

このような由来があるため、包装紙ではハトロン判で作成されているものが多いです。
プリントハウスで取り扱っている用紙だと「両更クラフト」「半更クラフト」「片艶白クラフト」などの原紙がハトロン判で作られています。

 紙のサイズはあるけれど…
全判という大きいサイズの用紙はありますが、プリントハウスの印刷機には全判の半分の大きさしか入れることができません…。
また、全判の用紙を通せる機械でも「くわえ」という印刷できない部分があったり、断裁位置の目印であるトンボを入れたりするので、用紙の端から端まで余す所なく印刷して使用できるというわけではありませんのでご注意下さい。

                                                 

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