さっパンダってなんなんだ!?
2020年春頃から、プリントハウスのあちらこちらに現れた四角いヤツ。
CMYKで言うとシアンを意識したその子の名前は「さっパンダ」。
(データ上はマゼンタとブラックも使っています)
その名の通り「刷版(さっぱん)」からの連想で生まれたキャラクターです。
「刷版」とは、印刷を行う際に使用する版のことです。
さらに細かく言うと、インクの付く部分と付かない部分を区別するための処理をされた金属の板、そしてその板を作る工程も「刷版」と呼ばれます。
「インクの付く部分と付かない部分」というのはハンコをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
(プリントハウスで行なっているオフセット印刷は「平版印刷」であり、ハンコのように凹凸はないのですが…その仕組みはそもそも…「オフセット印刷」って何?で触れています。)
アルミ製の金属板に感光剤が塗布された「PS版(PreSensitized Plate)」に印刷データから作成した「製版フィルム」を密着させて露光すると、インクが乗って印刷される部分(画線部)は親油性、印刷されない部分(非画線部)は親水性に変質します。
現在は「製版フィルム」を出力せずコンピューターから直接刷版を出力するCTP(Computer To Plate)が主流になっています。
PS版にも種類があり、露光させた後に現像、水洗い、ガム引き(表面と、親油性の物質から非画線部を保護する処理)などの処理工程が必要な物と、それらの処理が必要ない物(未処理版)があります。
…難しいのでそれらの細かい差については深掘りせずにおきます。
プリントハウスのキャラクターを作ることとなったとき、「印刷屋さんっぽいものとは?」と社内を見回し目についた刷版。
「キャラクターといえば(?)パンダ。さっぱん。さっぱんだ!!」
とまずは名前が決まり、次いでビジュアルを作成しました。
基本はパンダだけど刷版だから四角い。でも完全に四角いとかわいくないので角丸。
模様の部分は露光させたあとの印字部分のようにちょっと濃くなったイメージ。
プリントハウスのキャラクターとして表に立つならキチンとしよう!ということでネクタイをプラス。
あれ?パンダのしっぽって白いんだっけ?黒いんだっけ?
…調べてみたら白いけど、キャラクターだからわかりやすいほうがいいな!濃い色で!
こうして「さっパンダ」が出来上がったのでした。
そして露光したあとの刷版は、そのまま光が当たっていると印字部分が消えて見えなくなってしまいます。
だからさっパンダも光に当たると模様が消えてしまうのかも…。