上製本 記念冊子の製作事例(1)

■お客様(デザイン):株式会社YPR様 
■製本協力:有限会社篠原紙工様    

(株)YPR様よりご依頼を受け、セミオーダーレオタードブランドstina様の10周年記念冊子を製作いたしました。
その工程を4回に分けてご紹介してまいります。

第1回は概要のご紹介です。

 ①仕様・上製本について

仕上がった冊子の画像
フルカラー印刷 本文80ページ
表紙:布クロス(プレミアムコットン 206T)+箔押し+題箋貼り
本文:モンテアルバ 99kg
見返し:モンテアルバ 120.5kg

今回作成した「上製本」とは「ハードカバー」とも呼ばれ、本文を綴じる工程と表紙を作る工程が分かれていて最後に本文と表紙を組み合わせる製本方法です。
表紙が本文より一回り大きく、その差は「チリ」と呼ばれます。
また表紙と本文を繋ぐ「見返し」や、「花布(はなぎれ)」と言う背の天地に貼られる補強・装飾用の布があるのが特徴です。
上製本の各部の名称の図

その他、表紙には「箔押し」「題箋(だいせん)貼り」などの加工も施しています。
詳細は次回ご紹介いたします!

 ②スケジュール

最初にご相談をいただいたのは2022年6月。
YPR様より作成したいイメージに近い冊子をご提示いただき、仕様の確認・概算のお見積りをいたしました。
目標にするカタチはあるけれど用紙名や加工方法がわからない…という場合、プリントハウスで確認・ご提案いたします。

2022年10月中旬、YPR様と製本でご協力いただく(有)篠原紙工様と打ち合わせを行いました。
特に表紙は、並製本(ソフトカバーとも呼ばれる、無線綴じや中綴じ)と違い表紙は厚紙の芯を包んだりするので展開図が必要になります。
12月に開催されるイベントに合わせて11月中に納品したいというご希望を伺い、それぞれの工程にかかる日数を調整して本格的に製作がスタートしました。

▼表紙設計図

表紙設計図の画像

 ③本機校正

まず本番の印刷と同じ用紙・機械で校正を行います。
校正のため各ページの印刷枚数は少ないですが、刷版を出力して印刷機にかけて…という工程は本番と同じなので全ページ分出力すると費用もかさんでしまいます。
表紙や画像がメインのページなどをピックアップして校正を行うことで費用を抑えることも可能ですのでご相談ください。

色味以外の仕上り確認(レイアウトやページ順など)であればオンデマンド出力でも対応できます。
また、冊子の場合「束見本(つかみほん)」という本番と同じ用紙・材料で印刷をしていないサンプルを作ることもありますが、今回はスケジュール等の都合で省略しました。

 

次回は表紙の製作についてご紹介します。